流行と伝統のはざまで

―ファッションとしてのブランドをめぐる考察―

800143 光野 真子

指導教官:葉柳 和則助教授

 日本経済が不況といわれているなか、高級ブランド品の売れ行きは好調である。本論文では、現在のこのような状況に対し、ファッションとブランドのあり方がどのようになっているのか、若者のファッション感を軸にしながら検討する

 第1章では、ブランドの語源やその意味の変化を見るとともに、ブランドがファッションとしてどのように取り扱われているのかをエルメスやルイ・ヴィトンを例にあげて確認した。どちらのブランドもその商品には伝統的な製法を駆使し、昔から変わらぬデザインを用いたものがある。しかし、その一方で、ファッションショーを開催して、毎年の新作も世に送り出している。つまり、ブランドには流行と伝統という要素が存在しているのである。しかし、ファッション誌やテレビ番組からも見受けられるように、日本のメディアはブランドの流行の部分に強く反応しており、伝統的な背景についてはあまり注目しないまま、ブランドをファッション化している傾向が強い。

 第2章では、ファッションに敏感だといわれる若者世代が、どのようにブランドを認識しているのかを、アンケート調査を通して確認した。その結果、ファッションとしてのブランドの重視度合いは低いにもかかわらず、ロゴマークがついていない商品より、ついている商品を選ぶ若者の割合が高いことがわかった。

 第3章では、ブランドにある流行と伝統に対し、若者がどのような姿勢をとっているのか、インタビューを素材に考察を進めた。その結果、若者はブランドに対して、流行感覚とは別に伝統のあるものとして受けとめているということがわかった。つまり、メディアが発信するブランド感と若者がもっているブランド感とは異なっているのだ。このズレがどこから生じ、どのような変容をするのか、それを見極めていくことが今後の課題となる。

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